完成品の棚卸しかしていない

先日、棚卸システムの提案にある製菓・販売の企業に伺った時のこと。
「現在は出来上がった商品の棚卸しかしていません。将来的には、原材料の棚卸も実施して管理していきたいのですが…」

この企業の要望は、初めの課題として紙とExcelで管理していた商品の棚卸をシステム化し、店舗の棚卸結果を本部が正確に管理することがスタートラインです。アナログ運用を続けてきた企業にとってシステムの導入には準備が多く、決して容易ではありません。それでも、ここまでの課題はたいていの企業はクリアすることが出来ています。しかし、原材料まで管理が出来ている企業は多くありません。
その先のステップにある「食品原材料の棚卸」、つまり原価について管理するためにはどのような準備が必要でしょうか。
原材料はどのように棚卸することができるか、その方法と効果について考えてみました。

何のために原材料の棚卸をするの?

原材料の管理ができる=原価について把握することができるという事です。
また、過剰仕入によるロス、賞味期限による破棄など、原材料の無駄がどこで起こっているかを把握できます。
・原価率の正確性が向上する
・原材料のロスが減る
つまり、最適な仕入量を予測することができるようになります 。

原材料の棚卸をするために必要な情報

食品の原材料を棚卸するにはどのような情報が必要でしょうか。
棚卸の際に必要になると想定できる項目を以下にまとめました。

  • 食材自体の単位:グラム、枚、本、個、リットル等
  • 棚卸をする際の単位:袋、箱、本、リットル、枚等
  • 食材の在庫数
  • 賞味期限
  • 仕入単価

原材料は、袋やパック詰め、瓶などに入った状態で納品されます。それに対して棚卸はどのような単位で実施するか管理方法を決めておきましょう。それによって、単位あたりの仕入単価も決まります。 つまり、1種類の原材料に対して、複数の単位を管理する必要があります。
正確な数字を出したいのであれば、中身の容量分を棚卸の単位としてください。
例えば、小麦粉一袋(キロ単位)に対しグラム単位で棚卸をするのであれば、仕入れ単価もそれに合わせて考えます。

まとめ:棚卸の結果を比較して仕入を行うタイミングを把握しよう

棚卸を繰り返していって、前回分との比較を続けるとこれまでの仕入れ量が過剰であるか、不足していたかどうかが見えてきます。
原材料の棚卸を実施するためには、可能であれば日々の業務終了後に棚卸を実施しましょう。
一日の業務で原材料がどのくらい減り、次はどのくらい仕入をするべきかがわかります。前日との棚卸の比較を続けると、適切な仕入数が把握できるようになり、発注点の目安を定めることができます。ある一定の在庫数を切った時点でアラートが出るようにしておくと良いでしょう。

システムを選定する際のポイントは、1種類の商品(原材料)に対し、複数の単位や、賞味期限等の付帯情報をつけられる機能があるかどうかです。本記事で紹介した原材料単位での棚卸を実施し、過剰仕入の防止やロスの原因を把握して、業務改善と利益の向上を図りましょう。

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